
ソフトウェアだけ、ハードウェアだけでは不十分な時代が到来しました。医療機器、通信ネットワーク、防衛システム ― 社会を支える基盤は、全体の信頼性を統合的に評価することが求められています。そこで3S社が開発したのが「FUSION」。STARがソフトウェアの欠陥予測に強みを持つのに対し、FUSIONはハードとソフトを統合し、システム全体の安定性と信頼性を評価する次世代プラットフォームです。
<目次>
- FUSIONとは ― システム全体を見据えた信頼性解析
- NSF採択プロジェクトとしての信頼性
- グラフィカルエディタ(iGRED)と信頼性ブロック図(RBD)
- 応用分野 ― 医療・通信・防衛・航空宇宙
- STARとの補完関係
- FORTIS ― FUSIONから進化する次世代統合基盤
- FAQ
1. FUSIONとは ― システム全体を見据えた信頼性解析
FUSION は、Sakura Software Solutions(3S社)が開発したクラウド型の信頼性解析プラットフォームです。従来の解析ツールはソフトウェアかハードウェアのどちらかに偏っていましたが、FUSIONは両者を統合し、システム全体の信頼性を俯瞰的に解析できる ことが最大の特徴です。
STARが「開発初期のソフトウェア品質保証」に強みを持つのに対し、FUSIONは「運用フェーズを含めたシステム全体の安定性と信頼性評価」を担います。両者を組み合わせることで、開発から運用までのライフサイクル全体をカバーする包括的な品質保証が可能となります。
2. NSF採択プロジェクトとしての信頼性
FUSIONは2024年、米国国立科学財団(NSF)の研究助成プロジェクトに採択されました。これは「学術的な新規性」と「産業界への即時適用性」の両面を兼ね備えた点、特に従来のツールでは困難だった大規模複雑システムの信頼性モデリングを可能にした点が高く評価された結果です。
特に医療機器や通信ネットワーク、防衛システムといった「止まってはいけない社会インフラ」に応用可能であり、NASAや大手通信事業者との共同研究でもその有効性が示されています。
3. グラフィカルエディタ(iGRED)と信頼性ブロック図(RBD)
FUSIONには、インタラクティブ・グラフィカルエディタ(iGRED) が搭載されています。iGREDではドラッグ&ドロップ操作で信頼性ブロック図(RBD)を作成可能。専門的な統計知識がなくても、設計者やプロジェクトマネージャーが直接シミュレーションを実施できます。
算出できる代表的な指標は以下の通りです。
- 故障率(λ):障害が発生する頻度
- MTTF/MTBF:平均故障時間・平均故障間隔
- 可用性(Availability):システムが稼働可能な割合
- 信頼度(Reliability R(t)):ある時間tまで正常稼働する確率
従来は専門家だけが扱えた高度な数理モデルを、FUSIONでは誰でも直感的に操作できるようになりました。
4. 応用分野 ― 医療・通信・防衛・航空宇宙
FUSIONの利用範囲は幅広く、特に以下の分野で強い効果を発揮します。
• 医療機器:生命に直結する装置の停止リスクを低減
• 通信インフラ:大規模障害を予測・回避し、安定稼働を確保
• 防衛・航空宇宙:ミッションクリティカルな環境での信頼性向上
これらの分野では「システムが止まらないこと」が最重要課題であり、FUSIONの解析機能は大きな価値を持ちます。
5. STARとの補完関係
STARとFUSIONは、異なる役割を担いながらも相互に補完し合う存在です。
• STAR:欠陥予測に基づくソフトウェア品質保証
• FUSION:システム全体を対象にした信頼性解析
両者を併用することで、開発段階から運用段階まで「品質」と「信頼性」の両輪を確保できます。
6. FORTIS ― FUSIONから進化する次世代統合基盤
3S社はさらに、STARとFUSIONを統合した次世代プラットフォーム「FORTIS」を発表しました。FORTISは、STARの欠陥予測機能とFUSIONのシステム信頼性解析を統合し、数理モデルに基づく評価を基盤としています。
ここに導入されるAI(LLM)は、解析そのものを置き換えるのではなく、オペレーターをガイドする役割を果たします。つまり、数理モデルやシミュレーションの正しい使い方をサポートし、最適な設定パラメータの選択や分析手順をナビゲートすることで、利用者が最大限にプラットフォームを活用できるよう支援します。
FORTISの特徴は以下の通りです:
- STARの欠陥予測機能 + FUSIONのシステム解析機能 を統合
- AIによるガイド機能 ― 利用者が適切な設定や分析方法に到達できるよう支援
- 包括的品質保証 ― 開発・運用・保守の全ライフサイクルを一体でカバー
このように、FORTISは「数理モデルを中核に据えた解析基盤」と「AIによるナビゲーション機能」の融合により、システム全体の品質保証をより使いやすく、より実用的に進化させています。
7. FAQ
Q:FUSIONとは何ですか?
A:ソフトウェアとハードウェアの信頼性を統合的に解析するクラウド型プラットフォームです。
Q:どのような業界で活用されていますか?
A:医療、通信、防衛、航空宇宙など、停止が許されないインフラ産業で利用されています。
Q:FORTISとの関係は?
A:FUSIONはFORTISの基盤技術を構成しており、FORTISではSTARの欠陥予測とFUSIONのシステム信頼性解析を統合しています。さらにAI(LLM)がガイド機能として加わり、ユーザーが最適なパラメータ設定や分析手順に到達できるよう支援します。解析そのものは数理モデルが担い、AIは「ナビゲーター」として補完します。
Q:導入にかかる期間は?
A:クラウド型のため数日から数週間で利用可能です。大規模な環境構築は不要です。
Q:専門知識がなくても使えますか?
A:GUI操作と自動計算機能により、非専門家でも主要な信頼性指標を自動で算出できます。また、FORTISではAIが操作をガイドするため、よりスムーズに高度な解析を実行できます。
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