2025年10月30日(木)・31日(金)に開催される公益社団法人 石油学会・第55回 石油・石油化学討論会（郡山大会）において、AI最適化分野のリーディングカンパニーである米国Imubit社が登壇します。
2日目の10月31日(金) 15:45～16:00（A会場）に、Imubit社 Edison Tan 氏 が以下のテーマで発表を行います。
「Imubit’s AI Optimization in Closed Loop Control for Plant Operation」
背景：プラント最適化の新たな課題
近年、石油・石油化学業界は、原料価格の変動、製品需要の変化、環境規制の強化など、複雑でダイナミックな運転環境に直面しています。従来の線形モデルに基づく制御・最適化手法（MPC、RTO、LPモデル）では、実運転との乖離（Planning vs. Actual）が生じ、収益機会の取りこぼしが避けられません。このように、プラントの運転最適化は従来手法の限界を迎えており、より高精度かつ自律的な最適化技術が求められています。
こうした課題に対し、Imubit社はAIによるクローズドループ最適化（AIO : AI Optimization）という新しいアプローチを提案しています。
これは、深層学習を用いてプラント全体の操作戦略をリアルタイムで最適化し、安全かつ高収益な運転を持続的に実現するものです。
Imubit社のAI最適化アーキテクチャ：DLPC
こうした課題を解決する鍵が、Imubit社の独自アーキテクチャ「Deep Learning Process Control®（DLPC）」です。これは、世界で唯一の深層強化学習（Deep Reinforcement Learning）を活用したクローズドループ制御プラットフォームであり、既存のDCSやAPCと連携しながらリアルタイムで操業最適化と利益最大化を実現します。
Edison氏の発表では、このDLPCを構成する2つの主要コンポーネントが紹介されます。
- Deep Learning Predictor（DLP）
数年分の運転履歴データから構築された非線形デジタルツイン。
プロセスの相互作用や制約条件を自己教師あり学習により捉え、
実プラント挙動を高精度に再現します。
- Deep Learning Controller（DLC）
強化学習（RL）を用いて、膨大なシミュレーションを通じ最適方策を獲得。
数分単位で操作変数を更新し、リアルタイムで利得を最大化します。
このアプローチは、従来必要だったステップテストや物理モデル調整を不要にし、既存のDCSやMPC層に統合して非線形制御を実現できる点が大きな特徴です。
実績と効果
Imubit社のAI最適化技術は、過去数年間で製油・石油化学・セメント分野において100件以上のクローズドループ最適化アプリケーションを展開しています。このDLPCは、既に実プラントでの導入を通じて具体的な成果を上げています。実際の事例では以下のような効果が報告されています。
- FCC（流動接触分解装置）：過分解を抑制しながらガソリン収率を向上
- ハイドロクラッカー：水素制約下でも留出油収率を最大化
- 蒸留塔：プロピレン回収率の改善とリボイラー負荷の低減
これらの事例が示すように、Imubit社のAI最適化は「安全・効率・収益」を両立する次世代制御として注目されています。
Edison氏のメッセージ
今回の発表でEdison氏は、AIを活用した運転最適化がどのようにプラント全体の意思決定を変革し、経営層・計画部門・運転部門の垣根を越えた「協調的な最適運転」を実現するかについても言及します。
“Imubit Closed Loop AIO moves beyond traditional approaches by enabling continuous, real-time optimization rooted in neural networks and reinforcement learning.”
最後に
Imubit社は、AIを活用したプラント最適化の実装支援を通じて、製油・石油化学産業のデジタル変革を推進しています。ぜひ、郡山大会にてImubit社の最新技術をご体感ください。
📅 発表概要
日時：2025年10月31日（金）15:45〜16:00
会場：A会場（郡山ビッグパレット）
発表者：Edison Tan（Imubit Inc.）
タイトル：Imubit’s AI Optimization in Closed Loop Control for Plant Operation
